襟の縁編みからプルオーバー(その1)

これまで説明した方法では、襟ぐりのある例えばクルーネックのプルオーバーなどを、トップダウンのセットインスリーブで編もうとすると、まずは襟ぐりを作らないといけないので、襟の縁編みは最後に拾い目して編むことになります。


今回はこれを回避する編み方、つまり最初から襟の縁を編むやり方に挑戦します。せっかくトップダウンでフィニッシュフリーに編もうとしているのですから最後に面倒な拾い編みはしたくありません。

まずはセットインスリーブよりも簡単なサドルショルダーで試し編みして見ました。セットインスリーブの肩線に幅をもたせたものがサドルショルダーです。この幅がすでに襟ぐりとなっているのでやり易いのです。

 
下の写真は、二目ゴム編みで縁を編んでから、引き続いてサドルと身頃を編んだところです。黄色い線を引いた部分(わかりやすいようにわざと裏編みにしてある部分)が2目毎のショートロウ(引き返し編み)で編んだところで、これで縁に角度がついてサドル部と合わせて襟ぐりになりました。
図に描くとこんな感じです。引き返しのピッチとどこまでやるかによって襟ぐりの形が決まります。
輪編みで、ショートロウを前後身頃と左右肩の4組を1本の針乗せて、うまく編めるのか不明ですが、考えてもわからないのでともかく編んでみます。
毛糸はユザワヤのメリノ150レインボウ。メリノウール100%、30g、66m/玉。標準ゲージは21-23目、29-30段/10cm。6号針で編みます。
ショートロウのところは下図のように設計しておきますが、変だったら編み直します。引き返し編みが終わったところで袖を始めることにしたので、結果的に肩(サドル)は20段になります。

また、肩と袖の増し目の入れ方も下図のように決めておきます。
100目作り目をして輪編みで2目ゴム編みを5段編んで、5段目に両肩のサドル部の区切りにマーカーを入れます。左右サドル部は10目づつ、前後身頃は40目づつにします。

編み始めの位置は後ろ身頃の中心とします。さらに右肩サドルから前後身頃側に5目と10目のところに段マーカーも入れておきます。これはそれぞれ1目引き返しと2目引き返しを終える位置です。
下の写真のようになります。

ここから右前後身頃をサドルを中心にして引き返し編みで編んで行きます。引き返し編みはラップ&ターンでやります。穴は埋めません。身頃は鹿の子編み、サドルはメリヤス編みします。サドルの両側の外側に増し目を入れて行きます。増し目はKFBにしますので、サドルの左側の増し目はマーカーを乗せ替える必要があります。

サドルの両側の身頃の5目までは1目毎の引き返し編み、10目までは2目毎の引き返し編み、最後の5目は引き返しなしで編みます。絵で描くと下図のような感じです。(引き返しの数はデタラメです)
下の写真は、右肩サドルの両側で1目毎に前後身頃の5目まで引き返し編みしたところです。
さらに前後身頃の10目を2目毎に引き返し編みしたところです。
この後は左半身に移って、右半身と同じように引き返し編みをして編み始め位置にに戻ります。下の写真は編み始め位置に戻ったところです。

次の周からは、袖と身頃の増し目をしながら編んで行きます。身頃は鹿の子編みで続けてもかまいませんが、鹿の子をアクセントにするために身頃はメリヤス編みにします。袖はサドルの延長なのでメリヤス編みです。

袖の増し目は、2周毎に入れます。増し目の位置は袖の端の目の1目内側にします。
身頃の増し目は、4周毎に入れますが、最初の3目増したら止めます。増し目の位置は袖の端の目の1目外側にします。
輪編みなので、各周で増し目の入れ方を間違えないように、下図のようなメモを書いて編んだらチェックしていきます。
下の写真はメリヤス編みで20周編んだところです。ここで寸法を測って、脇の下までどう増し目を入れていくか設計します。
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